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新車を契約したけど、やっぱり下取りだけキャンセルしたい…!
ディーラーで新車を注文するとき、たいていは下取りも一緒にお願いするかと思います。
でも、たとえば以下のような理由で、下取りだけ後からキャンセルしたくなることもあるでしょう。
- 念のため買取店でも査定を受けたら、下取りより全然高かった。
- ディーラーに売るつもりの車を、知り合いが下取り価格で買い取りたいと言ってきた。
果たして、契約後に下取りだけ変更することはできるんでしょうか?
こんにちは!
GOODBYE CARの岡田です。
このことに関して主要国産車ディーラーを調べてみたところ、どこもキャンセルは可能とのことでした。
ただし、「下取り車の引き渡し前」というのが条件で、そのときの状況によってキャンセル後の対応も変わってきます。
そこで今回は、ディーラー下取りのキャンセル事情と、値引きなどの変更がどのように処理されるかを解説します。
車の下取り契約の法的性質
ディーラーで新車を注文した際、たいていは下取りの手続きも同時に進めるかと思います。
でも実は、「購入」と「下取り(売却)」は別々の契約になります。
ですから、ディーラーが同意さえしてくれれば、下取りの契約だけ変更することは可能です。
ただし、契約した時点で、下取り車の権利はディーラーへ移ってしまいます。
たとえ引き渡す前でも、その車は “ディーラーのもの” と言っていいでしょう。
したがって、「契約後の一方的なキャンセルはできない」というのが一応、法律上の考え方です。
クーリングオフは適用されない
ちなみに、申し込み後でも一定期間内なら無条件で解約できる「クーリングオフ」という制度は聞いたことがあるかと思います。
しかし、クーリングオフが適用されるのは、以下のような特定の取引に限ります。
- 訪問販売
- 電話勧誘販売
- マルチ商法、ネットワークビジネス
そして、自動車の売買はクーリングオフの対象外です。
つまりルール上は、「下取りはキャンセルできない」ということになります。
下取り車を引き渡す前ならキャンセルは可能
とはいえ、新車を買ってくれるお客さんとの今後の付き合いを考えると、ディーラーとしても無下に対応することはできないのが実情です。
下取りのキャンセルに関して主要国産車ディーラー8社(トヨタ、マツダ、日産、ホンダ、スバル、スズキ、ダイハツ、三菱)をリサーチしたところ、以下のとおり全社共通の見解でした。
本来、法律的にはキャンセルを拒否されてもおかしくはありませんが、やはり「お客さんとの関係を考えて柔軟に対応している」とのことです。
下取りを撤回する場合は早めの連絡が肝心
ただし、下取り車を引き渡した後では、以下の理由からキャンセルは難しくなります。
- 名義変更を進めている
- 傷補修、クリーニングなどに着手している
- すでに業者オークションに出品している
- すでに次の買い手が付いている
したがって、下取りをキャンセルするなら「引き渡し前」が条件になります。
もちろん、下取り車を引き渡す前のキャンセルでもディーラーには迷惑がかかることになるので、あくまでも「相談する」というスタンスでお願いすることが大切です。
そして、できるだけ早くディーラーへ連絡して、キャンセルしたい旨を伝えましょう。
下取りのキャンセル時にディーラーから求められる対応
ただ問題なのは、その後の対応です。
下取りをキャンセルすれば見積書にある「下取り価格」がなくなるわけですから、当然ながら新車の購入費用にも影響してきます。
契約時の条件やディーラーによって対処の仕方は異なりますが、一般的には以下の4つの方法が考えられます。
(※ここでは、新車購入費用200万円、下取り価格50万円とします)
【その1】
下取り分の値引きがなくなる
下取り価格(値引き)が丸っとなくなると考えれば、一番わかりやすいですよね。
キャンセル前 | キャンセル後 | |
購入費用 | 200万円 | 200万円 |
下取り値引き | ー50万円 | ー |
支払総額 | 150万円 | 200万円 |
この場合は、下取り値引きがなくなるので、購入費用の200万円をそのまま支払うことになります。
【その2】
下取り価格を現金で払う
ただし、キャンセルのタイミングによっては、契約時の見積もりを変更できないこともあります。
その場合は、下取り価格を現金で払い、下取り車を買い戻す形をとります。
キャンセル前 | キャンセル後 | |
購入費用 | 200万円 | 200万円 |
下取り値引き | ー50万円 | ←現金払い |
支払総額 | 150万円 | 150万円 |
もちろん、下取り分の50万円を払うわけですから、新車購入の支払いは従来どおり150万円のままです。
【その3】
下取り査定をやり直して金額の調整ができるか検討
キャンセルの理由が金額の問題なら、「もう一度査定して、下取り価格を見直す」という形で対応してくれるディーラーもあります。
キャンセル前 | キャンセル前 | 調整後 |
購入費用 | 200万円 | 200万円 |
下取り値引き | ー50万円 | ー60万円 (下取りUP) |
支払い総額 | 150万円 | 140万円 |
他店と同じか、あるいはそれ以上の下取り価格をディーラーが付けてくれれば、下取りをキャンセルする必要はなくなります。
ただし、このようなケースは希です。
【その4】
新車値引きの減額またはキャンセル料の請求
厄介なのが、下取りからの利益を見込んで、“本来できないはずの新車値引き” を付けているケースです。
この場合、下取りをキャンセルすれば、当然その値引きもなくなります。
ディーラーから求められる対応としては、次の2つが考えられます。
- 新車値引きを取り消す。
- 値引きをそのまま残す一方で、相当額をキャンセル料として払う。
具体的な金額を想定して見てみましょう。
キャンセル前 | キャンセル後 | ||
値引き取消 | キャンセル料請求 | ||
購入費用 | 200万円 | 200万円 | 200万円 |
新車値引き | ー10万円 | ←取消 | ー10万円 |
キャンセル料 | ー | ー | 10万円 |
下取り値引き | ー50万円 | ー | ー |
支払総額 | 140万円 | 200万円 | 200万円 |
下取りをキャンセルしただけで、値引きを取り消されたり、キャンセル料を請求されたりするのは納得できないかもしれません。
しかし、「下取りからの利益」を「新車値引き」へ振り替えていた場合は、このような対処もやむを得ないでしょう。
それでは、上記4つの対応をもう一度おさらいしておきます。
- 下取り分の値引きがなくなる
- 下取り価格を現金で払う
- 下取り査定をやり直して金額を調整できるか検討する
- 新車値引きの減額またはキャンセル料の請求
キャンセルを申し出るタイミングや契約時の条件によってディーラーからの指示は変わると思いますが、相談して納得したうえで金銭的なやりとりを進めましょう。
まとめ
今回は、ディーラー下取りのキャンセルの可否について解説してきました。
基本的に、契約後でも下取りのキャンセルは可能です。
事情を説明すればディーラーも柔軟に対応してくれるはずなので、なるべく早く連絡して相談してみてください。
そして、下取りがキャンセルできたら、その車を少しでも高く売れる買取店を探してみましょう。
クルマの売却価格は、お店によって数万〜数十万円もの差が生じます。
ですから車を高く売るためには、何社か査定を受けて条件のいい買取店を探す必要があります。
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