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以前、事故に遭い、大がかりな修理をした車。
その車を売るとき、査定額がどのくらい下がるのか心配ですよね…。
残念ながら、どれだけキレイに直っていても、修復歴車の査定額が安くなることは避けられません。
修復歴が残ると、中古車としての需要が一気に下がるからです。
こんにちは!
GOODBYE CARの岡田です。
実はこの前、私も修復歴のある車を売りました。
パッと見では分かりませんが、2年前の事故により、ガッツリ板金修理が施されています。
査定のときに修理したことを言うべきか迷いましたが、結局、プロの目はごまかせないようで、修復歴はあっけなく見破られました。
もちろん、査定額はダウンしました。
ただ、車の評価が下がるのは仕方ないとしても、「事故歴があるから高く売れない」という心理を逆手に取られ、車を相場より安く買い叩かれてしまうことだけは注意しなければいけません。
そこで今回は、修復歴車の査定額がどのくらい下がり、また、どう売れば損をしないのか、この辺りの事情を詳しく解説します。
「修復歴」の定義
はじめに、「修復歴」の定義を理解しておきましょう。
というのも、事故の程度によっては修復歴に当たらないケースもあるからです。
JAAI(日本自動車査定協会)によると、「修復歴車」は以下のように定義されています。
《修復歴車の定義》
日査協、公取協などの統一基準として修復歴車と定義されているのは、骨格(フレーム)部位等を交換したり、あるいは修復(修正・補修)したものが修復歴車(事故車)となります。
車の骨格(フレーム)↓
要するに、フレーム部分をどこか修理したり交換したりすれば、「修復歴あり」と見なされるわけです。
板金修理をしても修復歴に該当するとは限らない
逆に、ダメージが骨格に達していなければ、修理をしても「修復歴車」にはなりません。
《修復歴に該当しないケース》
たとえば、下の画像をご覧ください。
ドアがかなり凹んでいますが、それ以外に傷は見られません。
もしドアの交換だけで済めば、この車は「修復歴なし」となります。
《修復歴に該当するケース》
一方、次の画像の車はどうでしょう?
ドアが内側までメリ込んでいます。
この場合は、ドアの交換だけではなく、骨格(フレーム)の修理も必要になるでしょう。
したがって、この車は「修復歴あり」となります。
このように、骨格を修理したかどうかで、修復歴のあり・なしが決まります。
修復歴車の査定はどのくらい下がる?
では、修復歴があると、車の査定額はどのくらい下がってしまうのでしょうか。
修復歴の減額目安
JAAIの査定基準では「修復歴による減額の目安」がきちんと定められており、国内のほとんどの店舗ではそのルールが採用されています。
その基準をもとに減額の目安を計算したので、車種クラスごとに見てみましょう。
なお、「修復歴なしの状態での査定額を80万円」として、それに対して「修復歴あり」の場合はいくら減額されるかを示しています。
【クラス】Ⅳ・軽
【減額目安】12〜28万円
【クラス】Ⅲ
【減額目安】13〜32万円
【クラス】Ⅱ
【減額目安】14〜35万円
【クラス】Ⅰ
【減額目安】15〜37万円
【クラス】特A
【減額目安】16〜39万円
【クラス】特B
【減額目安】17〜43万円
【クラス】特C
【減額目安】19〜47万円
修復箇所によって減額幅は異なりますが、「修復歴なし」での査定額が80万円だとすると、「修復歴あり」では約20〜30万円のマイナスになります。
高級車や輸入車の減額幅はさらに大きくなり、逆に査定額がもっと安い車なら修復歴による減額も小さくなります。
査定士に修復歴の影響を聞いてみた
このことに関して、買取店の方にも実際に聞いてみました。
修復歴があると、査定額ってどのくらい下がりますか?
修理した箇所にもよるんですけど、だいたい2〜3割は下がります。
このように教えてくれました。
修復歴による減額が2〜3割であれば、以下のように予想できます。
修復歴なし | 修復歴あり | 減額 |
---|---|---|
100万円 | 70〜80万円 | 20〜30万円 |
10万円 | 7〜8万円 | 2〜3万円 |
要するに、買取相場から2〜3割引けば、修復歴ありの査定額がだいたい分かるわけです。
車の買取相場が匿名で分かるサイト6選|調べ方や査定の精度も解説【実例】修復歴車がいくら減額されるか検証
ではここで、私が売った日産スカイラインの査定結果を公開しましょう。
12年落ちの修復歴車とはいえ、少しでも高く売りたかったので、できるだけ多くの業者に査定してもらいました。
合計14店舗の平均が7.4万円。
やはり、現実は厳しいようです…。
何人かの営業マンは「業者オークションの相場」を見せてくれました。
それによると、同じような条件のスカイライン(修復歴なし)のオークション相場は15〜20万円でした。
実際の査定結果と比べると、以下のとおりです。
業者オークション相場 修復歴なし | 実際の平均査定額 修復歴あり |
---|---|
15〜20万円 | 7.4万円 |
なお、オークション相場には業者のコストも含まれます。
したがって、修復歴によるマイナスは実質5〜10万円くらいと推測できます。
そう考えると、今回の査定結果はそれなりに妥当だったのではないでしょうか。
修復歴は必ずバレる
このように、修復歴車の査定は厳しい結果が予想されるため、「言わなきゃバレない」という心理になりがちです。
しかし冒頭でもお伝えしたように、プロの目はごまかせません。
日本自動車査定協会のデータによると、査定士が修復歴を見落とす確率は2%以下だそうです。
案の定、今回スカイラインを見てくれた査定士の方々は全員、修復歴をあっけなく見破りました。
事故歴(修復歴)の調べ方
そこで、車のどこを見て修復歴を判断しているか実際に聞いてみました。
最も分かりやすいのは、パーツをつなぎ合わせるナットです。
このように、修理した車は、ナットの角の塗装が削れるそうです。
フレームの
このようにつなぎ目がガタガタになっているのは、板金修理した証拠。
私が売ったスカイラインには、トランクのウェザーストリップ内にも傷がありました。
本来、傷が付くはずのない箇所ですから、手を加えたのは明らかです。
また、角度をつけてボディを見ると、再塗装したかどうかも分かるそうです。
このように、見るところを見れば、修復歴は意外と簡単に見破られてしまいます。
【注意】修理済みでも事故歴や不具合の申告義務はある
ただ、「どうせバレるなら、黙っておこう」という考えはNGです。
法律上、車を売るときは「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」が生じるため、事故歴や不具合は必ず申告する必要があるからです。
仮にそのことを言わずに車を売ってしまうと、「減額請求」「契約解除」「損害賠償請求」といった責任を負うことになりかねません。
後々面倒ことにならないよう、事故歴は正直に伝えるようにしましょう。
車買取で契約後の減額はありえる!法的見解と未然回避策を解説修復歴のある車を安く買い叩かれないための3か条
ここまでお伝えしたとおり、車の修復歴は確実にバレますし、査定額も下がります。
しかも店側はその事実につけ込み、車を安く買い叩こうとしてくるでしょう。
実際、私が乗っていた12年落ちの修復歴車に対して、0円を提示するお店もありました。
しかしながら、修復歴があるとはいえ、修理して直っているわけですから、それ相応の価値は必ずあります。
というわけで、修復歴車を安く買い叩かれないために知っておいてほしいことを3つお伝えします。
では、順番に見ていきましょう。
【第1条】
ディーラー下取りはやめるべし!
車を買い替える場合、下取りに出せば手続きなどが楽ですし、金額面でも多少は期待しますよね。
しかし、ディーラーの下取り額は安くなることがほとんどです。
そもそも、ディーラーの査定基準は一般の車買取店より低い設定になっているからです。
このことについては別の記事で解説していますが、とにかく、車をディーラーに売るのはオススメしません。
「ディーラー下取りは安い」の真相。販売店の裏事情と安い理由に迫る!【第2条】
買取店を何社か競合させるべし!
となると、候補は車買取店(ガリバーやアップルなどの大手や中古車販売店)です。
ただし、車を少しでも高く売るには、買取店同士を競合させ、適正価格で勝負してもらう必要があります。
実際、私の車も買取相場は底値でしたが、相見積もりを取ったことで何とか11.2万円で買い取ってもらえました。
ですから、修復歴車を売るときは必ず何社か査定を受けて、適正価格を見極めるようにしてください。
そうすれば、たとえ修復歴がある車でも最高額で買い取ってもらえます。
なお、車を高く売るためのコツは、以下の記事で詳しく解説しています。
車を高く売る方法3選!高価買取のコツ・失敗する言動を全解説【第3条】
廃車買取も検討するべし!
しかしながら、かなり古い車や修理の程度によっては、どこで査定を受けても値段が付かないことがあります。
そのような場合は、最終手段として「廃車買取業者」を利用しましょう。
廃車前提で買い取ってくれるため、どんな車でも現金化することが可能です。
以上3点が、修復歴車を売るときに、ぜひ覚えておいてもらいたいポイントです。
まとめ
それでは、今回の内容をまとめます。
《修復歴車の定義》
- 骨格(フレーム)を修理または交換したもの
- 修復歴に該当しなければ査定には影響しない
《修復歴車の減額相場》
- 減額相場20〜30万円(修復歴なしの査定額が80万円の場合)
- 修復歴車の減額率は2〜3割(査定士に直接聞いた情報)
- 12年落ちの日産スカイラインの減額5〜10万円(実体験)
《事故歴の申告について》
- 事故歴は査定で必ずバレる(修復歴を見落とす確率は2%以下)
- 事故歴を隠すと、契約不適合責任を問われてトラブルになる
《修復歴車を売るときの3か条》
- ディーラー下取りは安いからオススメできない
- 買取店を競合させ、適正価格を引き出す
- 最終手段として廃車買取も検討する
お伝えしたとおり、フレームにダメージを負った車は「修復歴あり」と見なされ、査定額が下がってしまいます。
しかし修復歴車は、事故現状車(修理していない車)とは違います。
車は修理して直っているわけですから、それ相応の値段で買い取ってもらうことは可能です。
ただし、修復歴があることを理由に、業者は安く買い叩こうとしてくるでしょう。
それを防ぐには、必ず何社か査定を受け、なるべく条件のいい業者を選ぶことが肝心です。
クルマの売却価格は、お店によって数万〜数十万円もの差が生じます。
ですから車を高く売るためには、何社か査定を受けて条件のいい買取店を探す必要があります。
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