中古車を売るときの大きな不安要素となる「入金されない」トラブル。
実際に近年、車だけ渡して入金されないまま倒産する――といった大規模な詐欺事件も起きています。
こうした背景を受け、MOTAはエスクローサービス「あんしん決済」を導入。
代金をMOTAが一時的に預かり、入金確認後に車両を引き渡せるため、安心して取引を進められます。
この記事では、MOTAの「あんしん決済」におけるサービスの流れや利用条件を詳しく見ていきましょう!
MOTAのあんしん決済(エスクローサービス)とは?

あんしん決済(エスクロー)とは、車を売るときの「代金のやり取り」をMOTAが仲介するオプションサービスです。
エスクローとは、第三者が代金を一時的に預かり、取引が問題なく完了したことを確認してから支払う仕組みのこと。
以下の図のように、あんしん決済を利用すれば、「買取店からの支払い」を確認したあとに車両を引き渡せます。

つまり、ユーザーにとっては「車だけ引き渡して代金が受け取れない」というリスクを、買取店にとっては「代金だけ支払って車両が届かない」というリスクを回避できるわけです。
あんしん決済の手数料はいくら?
あんしん決済の利用料金は、以下のとおりです。
| あんしん決済の手数料 | 車両代金の1% (上限3万円・税別) |
なお、ローン残債がある場合は、不足分の支払いや振込手数料が発生する可能性があります。
あんしん決済(旧:MOTA決済)の導入はいつから?
あんしん決済(旧:MOTA決済)は、2025年6月上旬から順次導入されています。
プレスリリースでは「本年6月上旬以降、段階的に提供を開始」と発表されており、すでにサービス利用が可能です。
MOTAのあんしん決済サービス導入の背景と計画倒産詐欺「カートップ事件」
あんしん決済が導入された背景は、中古車買取において「車を引き渡したのに代金が振り込まれない」「買取店が倒産して未払いになる」といった入金トラブルの事例が報告されているからです。
実際、2025年5月には東京都板橋区の中古車販売会社「カートップ」が破産し、80人以上・総額4億円超の被害が発生しました。(「MOTA車買取」を通じた契約も含まれていた)

相場より高額査定で車を集めたにもかかわらず代金を支払わず破産に至ったことから、計画倒産による詐欺の疑いが強く指摘されています。
こうしたリスクを防ぐために導入されたのが、安心・安全な取引を実現する「あんしん決済」です。
MOTA「あんしん決済」の流れ
買取代金の未払いは悪質業者による稀なケースですが、車を売る側としては「あんしん決済」を利用したほうが間違いなく安心ですよね。
それでは、エスクローサービス利用の流れをここで確認しておきましょう。
車両の基本情報に加えて、写真など詳しいデータを添付すると査定額の精度が上がります。
最短3時間後、最大20社の入札額がWeb上で確認できます。
この候補店の中から「あんしん決済可」のマークが付いた買取店に実車査定を依頼しましょう。
候補店3社に現車を確認してもらます。
最終価格が一番高かった買取店と契約を進めましょう。(金額に納得いかなければ断ってもOK)
なお、この際、「あんしん決済を利用する意向」を必ず伝えてください。
契約後、まずは買取店がMOTAに代金を支払います。
着金後、ユーザーにはMOTAから「受領通知」が届きます。
受領通知後、車両と書類の引き渡しは「7日以内」です。
引き渡しを遅らせたい場合は、買取店に事前に相談し、STEP4のタイミングを調整してもらいましょう。
車両・書類の引き渡し完了が確認できたら、ユーザーへ代金が振り込まれます。
重要なポイントをもう一度確認しておきましょう。
- STEP❷
候補の中から「あんしん決済可」のマークが付いた買取店に査定を依頼すること。 - STEP❸
契約する買取店に「あんしん決済を利用する意向」を必ず伝えること。 - STEP❺
買取店の支払い確認後、「7日以内」に車両と書類を引き渡すこと。
以上が、あんしん決済の利用フローです。
サービスの利用規約と注意点
ここまで説明したとおり、MOTAのあんしん決済は安心感の高いサービスで、あなたにとっても特にデメリットはありません。
ただし、サービス利用にあたり、いくつか規約や注意点があるので確認しておきましょう。
- 車検証の所有者または使用者と契約者が同一である
- 契約者と口座名義人が同一である
- MOTAからの受領通知があった日から7日以内に車両・書類を引き渡すこと
- 売買契約が解除された場合は、あんしん決済をキャンセルできる
- NG MOTAが代金を預かる前に車両・書類を引き渡すこと
- NG 買取店との間で代金を直接やり取りする行為
❶❷は特に問題ないかと思いますが、前項でもお伝えしように「❸ 7日以内に引き渡す」は注意してください。
代金のやり取りをMOTAが仲介するサービスなので、当然ながら、そのフローに反する❺❻といった行為もNGです。
それ以外の点は、そこまで神経質にならなくても安心して利用できます。

ローンが残っていてもMOTAのあんしん決済は利用できる?
中には、売却したい車のローンが残っている方もいるのではないでしょうか。
ローン残債があっても「あんしん決済」の利用は可能ですが、代金のやり取りは少し複雑になります。
残債額が200万円のケースでシミュレーションしてみましょう。
買取額が残債額を上回る場合
たとえば、残債額200万円の車に、230万円の買取額が付いたとします。

代金はMOTAが一旦預かり、ローン会社への返済を代行してくれます。
そして、差額の30万円があなたへ振り込まれる流れです。
買取額が残債額を下回る場合
一方、残債額200万円の車に、170万円の買取額が付いたとしましょう。

この場合、残債を相殺するのにあと30万円足らないため、これは売り主が負担します。
そして、「買取額170万円」と「追加支払い30万円」を合わせ、MOTAがローン会社へ返済してくれます。
- 買取額 > 残債額 → 差額を受け取る
- 買取額 < 残債額 → 差額を支払う
まとめ
それでは今回のポイントをまとめます。
【サービスの流れ】
- 査定申込
- 入札結果から「あんしん決済可」買取店を選ぶ
- 実車査定・契約(利用意向を必ず伝える)
- 買取店が代金をMOTAに送金 → 受領通知
- 7日以内に車両・書類を引き渡す
- MOTAから入金
【利用時のポイント】
- 「あんしん決済可」の買取店を選ぶ
- 契約時に利用意向を必ず伝える
- 受領通知後、7日以内に引き渡す
【規約・注意点】
- 契約者と口座名義人が同一であること
- 車検証の所有者/使用者と契約者が同一であること
- MOTAを介さず直接取引するのはNG
車買取における「入金トラブル」は不安要素の一つですが、あんしん決済を利用すれば余計な心配はいりません。
もちろん、MOTAは高額査定が期待できる仕組みも整っているので、エスクローサービスを利用して賢く売却しましょう!








